大動脈解離と大動脈瘤

大動脈解離とは

大動脈とは、心臓から出た後に両脚の動脈へ分岐するまでの太い血管をいいます。
大動脈は、内膜・中膜・外膜と3層構造をしていますが、このなかでも一番内側にある内膜に亀裂が入ることを大動脈解離と言います。
亀裂ができると、そこからどんどん裂け目が大きくなっていくことが特徴で、身体症状としては、胸背部痛や呼吸苦などが挙げられますが、腹部大動脈では腹痛や腰痛として現れることもあります。

予防するために気をつけること

大動脈解離を予防するためには、普段からの血圧管理が重要です。
高血圧は、喫煙、塩分の過剰摂取、高いコレステロールなど、主に生活習慣に起因するものが多く、さまざまな病気の原因にとなります。

大動脈瘤とは

大動脈瘤は、この大動脈(20~25㎜程度)が「こぶ」のように病的にふくらんだ状態を指します。

この「こぶ」ができた場所によって名前が違い、胸部に動脈瘤がある場合を胸部大動脈瘤、腹部に大動脈瘤がある場合を腹部大動脈瘤といいます。胸部大動脈瘤は、上行大動脈瘤、弓部大動脈瘤、下行大動脈瘤に分類され、胸部から腹部にかけて横隔膜を挟んで連続して大動脈瘤がある場合は胸腹部大動脈瘤といいます。

何故こぶができるのか

大動脈瘤は大動脈の壁が弱くなっている部分がふくらんでできると考えられており、完全に解明されたわけではありませんが、動脈硬化、高血圧、喫煙、ストレス、高脂血症、糖尿病、睡眠時無呼吸症候群、遺伝などのさまざまな要因が関係すると考えられています。言われています。

大動脈解離と大動脈瘤の違い

大動脈解離を起こして直ぐの時期は救急疾患として取り扱われますが、安定した状態になると解離した大動脈がもろく弱くなっているために、大動脈瘤に拡大していくことも少なくありません。

定期的に専門医を受診して経過をみてもらう必要があります。

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