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病院で働く管理栄養士|栄養管理

こんにちは、管理栄養士の尾上です。

前回、管理栄養士とはどんな職業か、どんな職場があるのか、管理栄養士と栄養士の違いなどについて解説してきました。

今回は「病院で働く管理栄養士」について解説していきます。

管理栄養士ってどんな職業?

前回までの記事でも解説してきましたが、管理栄養士とは専門的な知識と技術を持って、ひとりひとりに合わせた栄養指導や栄養管理、給食管理などを行うことができる国家資格のひとつです。

赤ちゃんから高齢者までの全年齢に対して個人・集団を問わず、食事や栄養についての様々なアドバイスを行ったり、給食施設の献立を立てたりなど、人々の健康を食事と栄養の面からサポートするのが管理栄養士です。

食事を摂る方がどのような状態にあるのかを正確に把握し、必要な栄養をきちんと取ってもらえるように指導や管理を行います。

高度な専門知識・スキルが要求され、必要に応じて医師をはじめとする、ほかの専門職との連携も必要になってきます。

では、病院管理栄養士の仕事は具体的にどういう業務があるのでしょうか。

病院管理栄養士の仕事には、大きく分けて、食事提供と栄養管理があります。

この2つの業務のうち今回は栄養管理について説明していきます。

栄養管理業務とは

栄養管理業務とは、字の通り入院患者さんの栄養の管理を行う業務です。

栄養管理の流れを具体的に説明していきます。

入院診療計画書の作成
まず患者さんが入院したら、入院診療計画書というものを多職種で共同して作成します。

これは、入院についての計画を記したものであり次のように定義されています。

(1)医師、看護師等の共同により策定された入院診療計画であること。
(2)病名、症状、推定される入院期間、予定される検査及び手術の内容並びにその日程、その他入院に関し必要な事項が記載された総合的な入院診療計画であること。

管理栄養士は入院患者すべての栄養管理を行うのが前提だと考えていますが、指示があった方には、それに基づいた栄養管理計画書などの作成が必要になってきます。

栄養管理計画書の作成

入院診療計画書の指示を受けて、管理栄養士は多職種と共同して栄養管計画書を作成します。

栄養管理計画書とは、患者さんの栄養管理を行う上で必要な情報をまとめたもので、日本栄養士会では栄養管理計画書作成の流れを次のように説明しています。

●医師、看護師、その他の医療従事者(管理栄養士を含む:以下多職種とする)が共同して栄養管理手順を作成する。

●入院時に多職種が共同し確認後、「栄養管理の有無について」を入院診療計画書に記載する。(救急や休日入院患者など入院日に記載できない場合、入院後7日以内に記載する)

●特別な栄養管理が必要とされた患者について栄養管理計画書を作成する。(栄養管理計画書には栄養補給に関する事、栄養管理上の課題、評価間隔等を記載する)

●当該患者について、栄養管理計画書に基づいた栄養管理を行い記録する。

● 栄養状態は定期的に再評価し、必要に応じて計画書の見直しを行う。

栄養管理計画書の内容

栄養管理計画書は次のような内容となっています。

◎氏名、年齢などの基礎情報
◎入院時栄養状態に関するリスク 
(病名を入れるのではなく、スクリーニングの結果を具体的に記す)
◎栄養状態の評価と課題
(栄養状態を評価するだけではなく、課題まで明記することが重要)
◎栄養管理計画

Ⅰ、目標
Ⅱ、栄養補給に関する事項
・栄養補給量 
・栄養補給方法(経口、経腸栄養、静脈栄養)
・嚥下調整食の必要性(ありの場合は学会分類コード)
・食事内容
Ⅲ、栄養食事相談に関する事項
・入院時栄養食事指導の必要性
・栄養食事相談の必要性
・退院時の指導の必要性
Ⅳ、その他栄養管理上解決すべき課題に関する事項
Ⅴ、栄養状態再評価の時期
Ⅵ、退院時及び終了時の総合的評価
・留意事項

栄養管理の実施

栄養管理計画書を作成したら、それに基づいた栄養管理を行っていきます。

具体的な内容について説明していきましょう。

モニタリング
栄養管理計画書を作成したら、次に行うのは患者さんの状況確認(モニタリング)です。

重要な観察点は「設定した栄養がとれているか。」です。

口から食事をしている人は全て食べられているかということになりますし、経腸栄養の方では、下痢してないか(栄養を吸収できているか)などの観察となります。

目標に沿った食事内容で提供しても、それを患者さんが全て食べられなければ、必要栄養量はとれません。

患者さんの食事摂取量はカルテでも把握が出来ますが、実際に食事をしている様子を見に行くことが非常に重要です。

食べられていない原因を知り、食べられるように食事の調整を行うためには、患者さんの様子を見て、話を聞くことが必要不可欠です。

具体的には、「食事量の増減」、「(嗜好に合わせた)付加食の追加」、「食事形態の変更」、「主食の変更(パンや麺)」などを行っていきます。

栄養指導
患者さんのモニタリングを行うのと同時に、栄養指導を行っていきます。

栄養指導は入院中2回実施出来ます。

初回栄養指導は30分以上行う必要があり、260点の診療報酬がつきます。

2回目の栄養指導は20分以上で200点です。

入院中に行う場合は、入院時に「初回栄養指導」、退院時に「2回目栄養指導」、その間に必要に応じて随時行っていくのは、「栄養相談(診療報酬算定なし)」という考え方になります。

栄養指導は、「食事療法の知識を勉強する」というイメージがありますが、実際には、「退院後にどのように実践していくか。」を一緒に考えていく。ということがとても重要です。

その為には、患者さんの生活や経済状況、性格などを知ることが必要であり、この情報を得るためには信頼関係を築かなければいけません。

なので管理栄養士は積極的に病棟に出て、患者さんの様子をうかがいに行く必要があります。

効果の評価と計画の見直し
モニタリングの結果を踏まえて、栄養管理計画書で設定した目標に対する評価を行い、計画の見直しをします。

この計画の見直しを行う期間は、アセスメントした栄養状態によって異なります。

低栄養状態であるほど、こまめな評価と計画の見直しが必要です。

まずは「設定した栄養が適正だったか。」について評価していきましょう。

まとめ

人間の体は十人十色で、必要栄養量は同じ身長・体重・年齢・性別の人であっても違います。

そのため、実際に栄養を摂った時の経過をみて調整する必要があります。

評価を行ったら、その評価内容を踏まえて新たな目標を設定するなど計画の見直しを行います。

栄養管理業務とは、このプロセスを患者さんが入院してから退院するまで繰り返し行っていきます。

今回は「病院で働く管理栄養士」について解説しました。

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